被ばく医療総合研修センター
2021年に長崎大学病院敷地内に開所した「被ばく医療総合研修センター」は、平時から実践的な教育研修を提供し、原子力災害発生時には、原子力災害拠点病院で対応できない傷病者への対応をするため、除染室、トリアージ室、初療・重傷者処置室、ホールボディーカウンター室等々を整備しています。
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除染室、トリアージ室、初療・重症者処置室
原子力災害発生時、傷病の緊急度や重症度に応じて治療優先度を判断するトリアージ室を経て、身体に付着した放射性物質を除染洗浄する除染室から、初療・重傷者処置室へとスムーズな動線で初期対応を行います。
ホールボディーカウンター室
1人あたり2分という短い時間で、およそ150ベクレル以上の体内放射能を検出することができます。どのような放射性物質がどれだけ体内に入っているかを知ることにより、内部被ばく線量を正確に評価することが可能です。
カンファレンス室
国、地方公共団体、他の支援センターなどをオンラインで繋ぐ、原子力統合防災ネットワークシステムを備えています。原子力災害発生時には、原子力災害対策本部となります。
多目的研修室
最大で56名を収容でき、対面とオンラインのハイブリッド形式で研修を実施することが可能です。
生物学的線量評価室、標本分析室
放射線被ばくでは、DNAの集合体である染色体の異常頻度と放射線量に相関関係があることから、染色体異常頻度が被ばく線量の推定に用いられます。ここでは、処置室で採取された血液などの生体試料から、線量評価用の標本作成を行います。作成した標本は、標本分析室に整備された自動化顕微鏡システムを用いて、撮影・分析を行い、被ばく線量を推定します。
派遣チームラウンジ
原子力災害医療の対応が長期化した場合に備え、原子力災害医療派遣チームが待機、休息をとるための部屋を備えています。
被ばく医療実習室
実際の手術室を転用した被ばく医療実習室では、より実践に即した研修を行います。